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Dog photography and Essay

Dog photography and Essay

ニューハーフショー


曼谷人妖


私はタイ国は「寺と人妖」と色んな人から聞いていた。
そして旅行前にこの「人妖」について辞書を引いてみた。

辞書には「お化けのような人間」とか「化け物」とあった。
その後、何を指して「人妖」と言うのかと思った。

そして、何となく分かったのが旅行の二日前だった。
「人妖」とは「ニューハーフ」の事だった。

そのニューハーフのショーがタイでは有名で、
これを見て来るようにと上海の人より言われた。


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日本ではその人達の事を蔑(さげす)んで「オカマ」などと、
言っているが、この呼び方好きではありません。

私も学生の頃にニューハーフのお店で、
レジ係のアルバイトをやったことがあります。

レジ係のバイトと言っても、スーパーなどのレジと違って、
四六時中お客さんがレジに並ぶという事はないので、
ウィスキーを運んだり、つまみを運んだりしてました。

半年ほど働いたある日に、お客さんから指名され、
テーブルに付くように言われたのですが、
話が違いますと断りました。

そのお客様は怒って私の所へやって来て、
「俺の言う事を聞け!」と相当飲んでらっしゃいました。
私はその頃肩よりも長い髪をしてましたが、
化粧などはしておりませんでした。

しかし、店長(ニューハーフ)より、お願い助けて!と、
手を合わされ、仕方ないですねと渋々お受け致しました。

テーブルに付くと、酒を勧められ、いきなり「接吻」をされ、
そのお客様の頬を平手で叩き「この変態何をする!」と、
一言いった為、お客様は怒って、ママ(ニューハーフ)に、
詰めより、私は結局その店を首になってしまったのです。


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学校の学費支払いも大変でしたが、その屈辱に耐えられるだけの、
人生経験もこの時にはありませんでした(19歳の時)

この時にはまだ「ニューハーフ」というような言葉は無く、
「オカマ」などと言って「オカマバー」などと言ってました。

その嫌な事があり、私はニューハーフを好きになる男を、
嫌いになってしまったのです。

今回、タイの夜の「人妖表演」「ニューハーフショー」を、
夜に見に行く事になりましたが、その時の事が、
思い出されて余り気乗りがしなかった。

しかし、ショーを見出し、そのショーを見ていくうちに、
とても感動した。総勢140人ほどの「ニューハーフショー」を、
見終わり外に出たが、私はその人達の後を追った。

確かに8センチほどのヒールを履いていたが、皆身長が高い。
186センチや190センチもあるニューハーフもいた。

この3・4回の更新はこの「ニューハーフ」の事情を、
更新して行きたいと思ってます。


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ニューハーフショー


ニューハーフショーは、煌(きら)びやかさでは、
タイ古典舞踊に勝るとも劣らない。

ニューハーフショーと聞けば、日本であるならば、
何となくグロテスクなイメージを、受けるのであるが、
バンコクでのショーは、美しさを感じるほどである。


中国語ではニューハーフのことを人妖(レンヤオ)といい、
正式には男身女声(nan2shen1nv3sheng1)と言う。


タイでのニューハーフショーは31年の歴史で、
1974年の創立時には、僅か3人であったのが、
現在では140人以上の大舞踊団となった。

日本のニューハーフショーの歴史これより2年ほど早いが、
現在では、規模を比べると雲泥の差であり、
カリプソと呼ばれるショーは、バンコクでも老舗であり、
ダンサーのレベルは相当に高く芸術的である。


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このニューハーフショーが始まった1974年当時、
彼ら(?)はタイの社会では受け入れてもらえなかった。

しかし、現在ではその存在感は社会にも認められ、
そして若者は、只、お金を稼げるとの理由から、
借金をしてでもニューハーフの手術に走るものが多くなった。

タイの法律では、ニューハーフは依然として男性であり、
外観は女性より美しい女性であるのだが、パスポートは男性。
海外旅行からタイへ帰国し、通関検査で時間を費やす事も多い。

彼らが公共の洗面所に行っても、女性の身なりでなくとも、
自然に女性の洗面所へ行っても違和感がないという。

しかし、彼らが社会で立脚するのはたいへん容易ではない。
舞踊団で赤い星になり、大金を指折り数えるほどになっても、
彼らの舞台寿命は長くて8年間である。

ゆえ、皆さんは暮らしを立てるために死に物狂い踊る。
また限りなく女性になる為に、ホルモン注射を打ち続ける為、
ニューハーフの平均寿命45歳と非常に短い。

そして、寂しくこの世を去って行くと現地ガイドの声だった。
私は、その事などをノートに控えていくうちに、
徐々に何ともいえない虚しさを隠し得なかった。


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勇気ある選択


タイバンコクの中心にラチャテゥイー駅があり、
その駅の前にアジアホテルがある。

バンコクでは老舗のホテル。
このホテルの地下にあるのがカリプソだ。

このカリプソで蝶のように舞い踊る彼らがいる。

彼らは小さい時から女の子のような生き方をしてきた。
誰もの両親は、ニューハーフになるというと反対した。

そして殆んどの人が両親を何度も説得している。
彼らの家庭は貧しいとはいえない。

芸術大学の学生であった彼?は、日を追って美しくなった。
大学を卒業した後で、ニューハーフショーに参加したいために、
芸術大学が紹介した就職先を断り舞踊団に参加した。

わずかな収入では暮らしもままならなかった。
長期にわたり薬を飲み続けなければ、女性のような、
しっとりとした身体のラインが出来ない為ホルモン注射も打った。

性転換手術を考えるが、手術金額も彼には高額すぎる。


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その費用から生活費の為に、風俗業でアルバイト。
そこで知り合ったイギリスの男性と生活するようになり、
性転換手術費用もその彼が出すことになった。

性転換の手術費用は、15万バーツ(45万日本円)
ホルモン注射が1ヶ月4千バーツかかり、
一年4.8万バーツ(14万4千円)かかる。

彼女は、舞台に立つようになってからも彼の援助を受け、
元もとの素質や受けた教育と自分の努力が、
彼女が舞踊団で公演するに従って、地位が上昇した。

しかし、イギリスの彼は突然帰ってしまい、
一人取り残された彼女の生活は乱れていった。

今まで、ライバルを押しのけてのし上がって来た。
その彼女には敵が多かった。

何処の世界でも同じではあるが、このニューハーフの世界でも、
熾烈な争いをしていた。

靴にガラスの破片を入れられ、
公演中に激しい痛みを感じ、公演終了後、
靴の中にガラス破片で足が血に染まっていた。

タイのニューハーフの彼女達・・・
外から見れば華やかな彼らの世界も、裏を返せば、
目まぐるしく変化する夜の景色に迷う中・・・

既に性転換手術を決断し実行した今、
そして前提を決定してしまった今・・・

結論もまた必然的に、認めざるを得なく、
来る日も来る日も辛く苦しい人生を送る。

彼女らの笑顔の裏側に一筋の涙を見たように思った。


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華麗なるダンサー達


春節休みで来ている中国人の観光客が、
ダントツで多かったが、日本人のご婦人方も来てた。

ニューハーフショーの途中で観客席へ、
下りて来て、皆に近くで見せていたとき、
2列前の通路側に座っていらっしゃいました。

なぜ分かるかというと彼女らが近くに来て、
握手をして座りなおした後に「綺麗ね~」とか、
「手も柔らかい」などと日本語を使っていたからです。

それと、やはり中国女性の地位が向上したと言っても、
日本のオバサンパワーには、私の方が恥ずかしくなるほど。

タイではニューハーフのショーダンサーと、
普通の事務の仕事などの境界があるわけではなく、
簡単にトラバーユ(転職)も行われている。

現地ガイドさんの説明では、ニューハーフの性転換手術を
受け、授業料を支払いダンス教室に通い卒業して、
舞台に立っても、いつまで経っても日の目を見ず、3・4年で、
全く違う世界へ転職し、成功している人もいるとの事。

下の画像のように背中に背負って踊る方法は、
日本のニューハーフショーの影響を受けているとの事。
しかし、艶かしく艶やかで、怪しいほど美しいですね。


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一日3回行われるショーも毎回満員との事。
そして、ショーが終わり外に出て、お客様との撮影会。

ニューハーフと共に1回の撮影に100バーツ(300円)必要。
私どものツアー客女性も嬉しそうにカメラに収まった。

人気のある人であるならば、20秒ほどで1枚の撮影。
20分ほどの時間で、50人のお客様と写真を撮れば、
それだけで、5000バーツ(15000円)になる。

毎回50人と写真を撮るわけではないのだけど、
集中してこれだけのお金を手に出来る職業は少ない。

そして、下の画像の後に置いてある縦看板の
コマーシャルが日本語になっている事がみても、
如何に日本人の観光客が多いかが分かる事だろう。

今回、このショウの中で、結構な枚数の画像を、
撮影したが、前から6列目と言う事で、
ズームを使い撮影したで、画面のブレが多かった。

私達上海のガイドさんは、多くのニューハーフと一緒に、
撮影し、その度に私の所へ来て、シャッターを押して下さいと、
私の方は、彼女らの画像を撮りたかったが、
時間がなくなったってしまった。

タイを訪れたら必ず、ニューハーフショーを見てみよう。
舞台は綺麗なストーリー性を持って進行し結構楽しい。
タイには、この様なニューハーフキャバレーが、
各地に点在しいるので、思い出に残る事だろう。


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